2013年04月14日

漢方薬にも副作用!

今回は、漢方のお話です。
私は漢方の専門医では有りませんが、漢方薬を処方することも珍しくはありません。漢方専門医が、漢方理論や漢方診療(舌を良く観察したりお腹を触ったりして、一人一人の体質を判断)を行った上で漢方を処方するのを”漢方治療”といいます。
一方、日本では専門医以外の西洋医でも、症状や訴えから漢方理論や漢方診療を行わずに、保険適応で漢方を処方することが出来ます。私が行っているのは後者で、”漢方薬治療”と呼ばれています。西洋薬では治療に難渋する時に、漢方薬を併用してみると思わぬ効果を発揮したり、良い西洋薬が思い当たらない時に、漢方を使ったりすると、漢方だけで治ってしまうということも多々あります。
最近では、漢方でも薬理作用が明確になってきているものや、科学的データも数多く報告されるようになっており、西洋医にとっても使いやすいものとなっており、西洋薬と漢方を組み合わせることによってより良い医療を提供できるのではと思っております。
さて、ただ一つ気を付けたいのは副作用です。一般的に良く聞くように、西洋薬に比較して、副作用の頻度は低く、副作用の程度も致死的なものは少なく、相対的に安全性は高いと思われます。漢方は、複数の”生薬”の組み合わせから作られますが、その選ばれた生薬に副作用・毒性が低いためかと言われています。
しかし、やはり副作用が無いわけでは有りませんので、”漢方だから安全・安心”とう決めつけは危険です。比較的頻度の多い副作用は、胃腸障害、発疹です。また見落とされると怖いのは、間質性肺炎や低カリウム血症などです。むくみ・動悸・血圧上昇なども要注意です。
私が最近割と多いなと印象を受けたのは、低カリウム血症です。高齢者の入居している施設で、”抑肝散”という漢方を長期に飲んでいた方で、血液検査をすると3人に低カリウム血症を認めました。やはり、漢方と言えども、副作用の出現には十分気を付けなければと改めて認識させられました。
少々難しい話になってしまいましたが、漢方薬を飲む方々にも漢方薬でも副作用は起こりうることを認識してもらうことで、より良い漢方薬治療が行えるのではと思う次第であります。

院長


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Posted by mizutani at 20:27│Comments(4)ブログ
この記事へのコメント
院長先生がおっしゃるように、漢方薬に含まれるカンゾウによる偽アルドステロン症状がたまに見受けられます。

やっかいなのは、甘草を何グラム以上摂取したらダメという明確な基準がないことです。
製薬メーカーに確認したところ、低カリウム血症等の副作用の症状が出たら中止をするといったことしかできないとのことでした。

そういった点でも、漢方薬にも副作用はあるということを理解していただくのは大事かと思います。
Posted by 天城薬局 岩瀬 at 2013年05月09日 02:29
>岩瀬さん
いつもありがとうございます。
本当に・・・恥ずかしながら私も、医療従事者でありながら「漢方なら大丈夫」と思っていた1人です。
実際、カリウムが低下している数字を目にすることがあり、納得している次第です。漢方は奥が深いですね。症状に対しての作用もさることながら、その方の体質に合わせて、飲む薬も違うということも学びました。まだまだ勉強してみたいな、と思いますね・・・。    byナースM
Posted by mizutanimizutani at 2013年05月09日 08:05
私の旦那はツムラの柴胡加竜骨牡蛎湯で急性肝炎になり、入院しましたよ。病院処方の漢方薬は恐いと思いました。私も、漢方なら自然の生薬だし身体に安心、、、とずっと誤解していたので、非常に驚きです。正直、もう漢方薬は飲みたくないですね。
Posted by いちご at 2013年10月19日 21:51
私の旦那はツムラの柴胡加竜骨牡蛎湯で急性肝炎になり、入院しましたよ。病院処方の漢方薬は恐いと思いました。私も、漢方なら自然の生薬だし身体に安心、、、とずっと誤解していたので、非常に驚きです。正直、もう漢方薬は飲みたくないですね。
Posted by いちご at 2013年10月19日 21:51
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