2013年07月28日
副鼻腔炎(蓄膿症)と頭痛 Part 2
当クリニックのこのブログのアクセス数が今年になり、急速に増えています。この一番の要因は、1/14のブログ記事”副鼻腔炎による頭痛に注意を!”のアクセス数が断トツに多くなっているためです。開院以来の外来診療において、副鼻腔炎による頭痛が予想以上に多いことを実感し記事にしたのですが、その反響をみてこんなにも悩んでいる人が多かったのか!と改めて驚きました。
そこで、今回はそのPart 2として、実際に当クリニックで治療した2症例の画像をご紹介したいと思います。
1例目は、32歳の男性の方。3週間前から左頬部から眉の上あたりがズキズキ痛み、ここ数日は朝起きた時から痛いと言って来られました。また、頭痛の始まる数日前から鼻水、咳が出ていたそうです。
初診時のCT写真がこちらです。


○印の付いたところが副鼻腔炎です(向かって右側が、実際の左側になりますので、左上顎洞と左篩骨洞という部位に膿が溜まっています)。
これは、比較的典型的な症例ですね。鼻炎症状から始まり、蓄膿と痛みの部位が一致しており、起床時から痛い。前回、お示しした特徴に一致してますよね。
抗生物質の投与を行い、痛みは翌日には消失しました。治療後のCTがこちらになりますが、きれいに蓄膿も消失しています。


もう1例は、鼻炎症状がなく症状だけからは、副鼻腔炎を疑いづらかった症例です。
40歳の女性の方で、以前から片頭痛があり、他の病院で片頭痛の治療を受けていました。普段の片頭痛では、右前頭部の痛みが中心のようですが今回は頭全体の激痛を訴えていました。また、これまで3日以上続くことはなかったのが、いつもの片頭痛の薬を飲んでも効かず、もう1週間頭痛が続いているとのことでした。
これは明らかに片頭痛とは違う頭痛が起きていましたので、その原因を探るため頭部MRI検査を行いました。
その写真がこちらです。幸い脳には何も問題はありませんでしたが、○印のところが副鼻腔炎です。


蓄膿は、蝶形骨洞という一番奥の部位だけに限局していますので、鼻水・鼻づまりなどの鼻炎症状は全くなかったのでした。
こちらの方も、抗生剤の投与で数日で痛みは全く消失し、治療後のCTでも蓄膿はなくなっています。

ほんの代表的な2例だけ紹介しましたが、少しは参考になりましたでしょうか。鼻炎症状のある頭痛、いつもと違う頭痛を感じた方は、1/14のブログに書かれている特徴を確認の上、画像検査の出来る病院を早めに受診しましょう!
院長
そこで、今回はそのPart 2として、実際に当クリニックで治療した2症例の画像をご紹介したいと思います。
1例目は、32歳の男性の方。3週間前から左頬部から眉の上あたりがズキズキ痛み、ここ数日は朝起きた時から痛いと言って来られました。また、頭痛の始まる数日前から鼻水、咳が出ていたそうです。
初診時のCT写真がこちらです。


○印の付いたところが副鼻腔炎です(向かって右側が、実際の左側になりますので、左上顎洞と左篩骨洞という部位に膿が溜まっています)。
これは、比較的典型的な症例ですね。鼻炎症状から始まり、蓄膿と痛みの部位が一致しており、起床時から痛い。前回、お示しした特徴に一致してますよね。
抗生物質の投与を行い、痛みは翌日には消失しました。治療後のCTがこちらになりますが、きれいに蓄膿も消失しています。


もう1例は、鼻炎症状がなく症状だけからは、副鼻腔炎を疑いづらかった症例です。
40歳の女性の方で、以前から片頭痛があり、他の病院で片頭痛の治療を受けていました。普段の片頭痛では、右前頭部の痛みが中心のようですが今回は頭全体の激痛を訴えていました。また、これまで3日以上続くことはなかったのが、いつもの片頭痛の薬を飲んでも効かず、もう1週間頭痛が続いているとのことでした。
これは明らかに片頭痛とは違う頭痛が起きていましたので、その原因を探るため頭部MRI検査を行いました。
その写真がこちらです。幸い脳には何も問題はありませんでしたが、○印のところが副鼻腔炎です。


蓄膿は、蝶形骨洞という一番奥の部位だけに限局していますので、鼻水・鼻づまりなどの鼻炎症状は全くなかったのでした。
こちらの方も、抗生剤の投与で数日で痛みは全く消失し、治療後のCTでも蓄膿はなくなっています。

ほんの代表的な2例だけ紹介しましたが、少しは参考になりましたでしょうか。鼻炎症状のある頭痛、いつもと違う頭痛を感じた方は、1/14のブログに書かれている特徴を確認の上、画像検査の出来る病院を早めに受診しましょう!
院長
Posted by mizutani at 18:16│Comments(11)
│ブログ
この記事へのコメント
初めて画像を見させていただきました。
本当に真っ白だったんですね。
これだけはっきりと画像で分かるとは...
専門医にかかって検査をすることの重要性を再認識致しました。
つばめ薬局 岩瀬 裕
本当に真っ白だったんですね。
これだけはっきりと画像で分かるとは...
専門医にかかって検査をすることの重要性を再認識致しました。
つばめ薬局 岩瀬 裕
Posted by 岩瀬 裕 at 2013年07月30日 23:19
コメント有難うございます。
そうなんです。患者さんも大抵の皆さんは、”えっ、こんなに鼻の奥に溜まっているんですか?”と驚かれます。
確かに、MRIの方が白くはっきりと出て、よりインパクトが有りますね。眼球もリアルですよね。
院長
そうなんです。患者さんも大抵の皆さんは、”えっ、こんなに鼻の奥に溜まっているんですか?”と驚かれます。
確かに、MRIの方が白くはっきりと出て、よりインパクトが有りますね。眼球もリアルですよね。
院長
Posted by mizutani
at 2013年07月31日 13:24

蓄膿で検索していくと、
抗生剤に頼っているとまた再発する、なた豆茶を飲めばいい
というHPを見かけるのですが、どうなんでしょうか。
抗生剤に頼っているとまた再発する、なた豆茶を飲めばいい
というHPを見かけるのですが、どうなんでしょうか。
Posted by fukamidori at 2014年02月10日 12:57
fukamidori 様
ご質問有難うございます。
まず抗生物質に関してですが、蓄膿症に限らず一般的に、細菌ではないウィルスによる感染症に投与したり、細菌に対してもだらだら漫然と投与するのは、逆に抗生剤が効かない菌を作ってしまうなどの問題があり、良くありません。蓄膿症に対しても、”蓄膿症が見つかったらすぐ抗生剤”といったことはありません。どんな症状があるか、急性のものか、慢性のものかなど、その人の状態に応じて、抗生物質が必要かどうか判断され、また使う場合もどの抗生剤を使うのか状況により違いますので、”抗生物質を使うことが良いのか悪いのか”といった問いには、答えが有りません。
ただ、当院に来られるような強い頭痛を来すような蓄膿症には、明らかに抗生物質が一番有用と思われます。再発を防ぐには適切な抗生物質を一定の期間しっかり服薬することが肝要と考えます。
また、繰り返される慢性副鼻腔炎の場合など、少量の抗生物質を数ヶ月間飲む治療も確立されています。ですから、確かに不適切に抗生物質の投与が行われることは避けられなければならない重要なことですが、抗生物質が必要とされる状態ではしっかり服用することが大事であることをご理解頂ければ幸いです。
なた豆茶に関してですが、正直詳しく知りません。確かに検索すると色々なHpが見つかりますね。それらをいくつか見ますと、古くからの民間療法としてあるようですね。共通して書かれていることから判断すると、効く場合も数ヶ月かかるようです。そうしますと、頭痛をきたしているような蓄膿症にはあまり意味がないことになります。慢性的に起こる人が、予防として使うには良さそうですね。
分かる範囲で回答させて頂きました。
院長
ご質問有難うございます。
まず抗生物質に関してですが、蓄膿症に限らず一般的に、細菌ではないウィルスによる感染症に投与したり、細菌に対してもだらだら漫然と投与するのは、逆に抗生剤が効かない菌を作ってしまうなどの問題があり、良くありません。蓄膿症に対しても、”蓄膿症が見つかったらすぐ抗生剤”といったことはありません。どんな症状があるか、急性のものか、慢性のものかなど、その人の状態に応じて、抗生物質が必要かどうか判断され、また使う場合もどの抗生剤を使うのか状況により違いますので、”抗生物質を使うことが良いのか悪いのか”といった問いには、答えが有りません。
ただ、当院に来られるような強い頭痛を来すような蓄膿症には、明らかに抗生物質が一番有用と思われます。再発を防ぐには適切な抗生物質を一定の期間しっかり服薬することが肝要と考えます。
また、繰り返される慢性副鼻腔炎の場合など、少量の抗生物質を数ヶ月間飲む治療も確立されています。ですから、確かに不適切に抗生物質の投与が行われることは避けられなければならない重要なことですが、抗生物質が必要とされる状態ではしっかり服用することが大事であることをご理解頂ければ幸いです。
なた豆茶に関してですが、正直詳しく知りません。確かに検索すると色々なHpが見つかりますね。それらをいくつか見ますと、古くからの民間療法としてあるようですね。共通して書かれていることから判断すると、効く場合も数ヶ月かかるようです。そうしますと、頭痛をきたしているような蓄膿症にはあまり意味がないことになります。慢性的に起こる人が、予防として使うには良さそうですね。
分かる範囲で回答させて頂きました。
院長
Posted by mizutani
at 2014年02月11日 18:37

どうしてもふに落ちず、私の症状をネットで検索しましたところ、、やはりと思う先生のBlogに2件出会いました。
2年前より急にカビ菌や虫歯でアレルギーが出て、様々な症状が出ていましたが、1年ほど前から、頭痛が酷く、その上、カラス避け爆音機で激痛がしてよく痛みで気を失ってました。
今回救急車で運ばれ、MRIを取ると、副鼻腔だった事がわかり、正にこの画像のようでした。
入院医院、その後に行った耳鼻科は、頭痛と関係ないので、治療せず様子見。と言われたのですが、どうも体調がおかしく。先生の言う通りの症状です。何の薬でしょうか?薬名は公表できないでしょうか?また、激痛が来るのを恐れています。
なかなか、わかってくださる先生に出会えません。
2年前より急にカビ菌や虫歯でアレルギーが出て、様々な症状が出ていましたが、1年ほど前から、頭痛が酷く、その上、カラス避け爆音機で激痛がしてよく痛みで気を失ってました。
今回救急車で運ばれ、MRIを取ると、副鼻腔だった事がわかり、正にこの画像のようでした。
入院医院、その後に行った耳鼻科は、頭痛と関係ないので、治療せず様子見。と言われたのですが、どうも体調がおかしく。先生の言う通りの症状です。何の薬でしょうか?薬名は公表できないでしょうか?また、激痛が来るのを恐れています。
なかなか、わかってくださる先生に出会えません。
Posted by M at 2015年01月06日 07:44
M 様
抗生物質は、症例によって使い分けていますので、“副鼻腔にはこれ!”と言ったような特定の薬剤がある訳では有りません。
また、MRIで副鼻腔炎があるだけでは、それが必ずしも頭痛の原因とは断定出来ません。部位と時期が一致していることが重要です。
一度、頭痛専門医に診てもらうことをお勧めします。
抗生物質は、症例によって使い分けていますので、“副鼻腔にはこれ!”と言ったような特定の薬剤がある訳では有りません。
また、MRIで副鼻腔炎があるだけでは、それが必ずしも頭痛の原因とは断定出来ません。部位と時期が一致していることが重要です。
一度、頭痛専門医に診てもらうことをお勧めします。
Posted by 院長 at 2015年01月09日 00:28
お返事ありがとうございました。
そうなんですねー
耳鼻科でなく専門医に行ってみたいと思います。
そうなんですねー
耳鼻科でなく専門医に行ってみたいと思います。
Posted by M at 2015年01月10日 11:18
はじめまして。
慢性副鼻腔炎のMRIでこちらにたどり着きました。
先日、脳のMRIで右の副鼻腔が白く写りました。
説明では、副鼻腔炎の跡とのことでした。(私にはまったく症状がありません。)
確かに4年ほど前に、片側が副鼻腔炎とのことで抗生剤を飲んだのですが、跡が白く写るってあるんでしょうか?
慢性副鼻腔炎のMRIでこちらにたどり着きました。
先日、脳のMRIで右の副鼻腔が白く写りました。
説明では、副鼻腔炎の跡とのことでした。(私にはまったく症状がありません。)
確かに4年ほど前に、片側が副鼻腔炎とのことで抗生剤を飲んだのですが、跡が白く写るってあるんでしょうか?
Posted by haru at 2015年03月28日 15:08
haru 様
ご質問有難うございます。
副鼻腔炎の跡や、悪さをしていない副鼻腔炎がMRI検査で見つかることは良くあります。ただ跡が残っているということは、炎症が再燃する可能性は有りますので、鼻炎症状や、副鼻腔炎の部位に一致した痛みなどが出現するようでしたら、耳鼻科を受診することをお勧めします。
院長
ご質問有難うございます。
副鼻腔炎の跡や、悪さをしていない副鼻腔炎がMRI検査で見つかることは良くあります。ただ跡が残っているということは、炎症が再燃する可能性は有りますので、鼻炎症状や、副鼻腔炎の部位に一致した痛みなどが出現するようでしたら、耳鼻科を受診することをお勧めします。
院長
Posted by mizutani
at 2015年03月31日 14:58

お忙しいのに、お返事ありがとうございました。
鼻の症状に注意しておきます。
鼻の症状に注意しておきます。
Posted by haru at 2015年04月01日 08:30
今まで10年ほど他県で頭痛外来に通っていたのですが、その病院で初診時にMRIを勧められた際、閉所恐怖症のため断ってしまいました。
それからMRIをすることなく引っ越しをし、マクサルトをもらうために今日初めて別の病院へ来院しました。
引っ越し先は田舎で頭痛外来のある病院がなく、脳神経外科へ来院したのですが、そこでCTを撮っていただきました。
すると蓄膿症だと言われました。
しかし、たまたま1週間ほど前から風邪をひいてしまい鼻が詰まっていました。
それを先生に言い忘れたのですが、本当に蓄膿症なのでしょうか?
風邪と蓄膿症は関係ないでしょうか?
今までの頭痛は蓄膿症からくるものだと思うとのことですが、今まで鼻が詰まったことはないです。
耳鼻科で蓄膿症治療の薬を処方していただいたのですが、本当に服用してもよいか不安です。
それからMRIをすることなく引っ越しをし、マクサルトをもらうために今日初めて別の病院へ来院しました。
引っ越し先は田舎で頭痛外来のある病院がなく、脳神経外科へ来院したのですが、そこでCTを撮っていただきました。
すると蓄膿症だと言われました。
しかし、たまたま1週間ほど前から風邪をひいてしまい鼻が詰まっていました。
それを先生に言い忘れたのですが、本当に蓄膿症なのでしょうか?
風邪と蓄膿症は関係ないでしょうか?
今までの頭痛は蓄膿症からくるものだと思うとのことですが、今まで鼻が詰まったことはないです。
耳鼻科で蓄膿症治療の薬を処方していただいたのですが、本当に服用してもよいか不安です。
Posted by 馬越 at 2019年01月11日 17:33